つれづれなるままに

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7/14 第61期王位戦七番勝負第2局の感想

木村一基先生と言えば「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持ち、受けが強い将棋で知られている。

木村先生に特徴的な受けはどちらかというと守る為ではなく、攻める為だ。

読みが入っていないと指しづらく、感覚的には怖さを感じる。でもそれで勝つのが木村先生だ。

若くから高勝率だがタイトルが取れず、昨年漸くタイトルを手に入れた苦労人、のイメージもあるかもしれない。

一方、藤井聡太先生(個人的にはこの呼び方は藤井猛九段を想起させるが)は、将棋界に現れた天才棋士として話題となっているが、最も異次元にあるのはその中でも詰将棋の実力だ。

藤井先生は小学校在学中にプロも参加する詰将棋選手権で優勝し、その後も連覇している事で、プロ入り前から話題となっていた有望な若手、との印象だ。

将棋自体は攻めと受けとのバランスもよく、踏み込んだ際の読みの速さ・深さは既に随一といっていい。

 

このお二人の対戦だと、どちらも居飛車党で振り飛車を指されないので、肩入れせずに見れている。

今日は居飛車本格派同士らしく相掛かりの戦型になった。

細かい内容は省くにしても、中盤以降の藤井先生の苦しそうな姿勢・表情と終局直後の木村先生の茫然とした、でも悔恨が滲み出る姿勢・表情に魂を込めた勝負の一端を見せてもらった気持ちとなった。

 

明後日には棋聖戦がある。王位戦第3局が藤井新棋聖対木村王位となるか?

注目したい。