つれづれなるままに

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天使の跳躍、駒の「捌き」について

振り飛車を指す人なら、大体分かる将棋の格言。初期位置にいた桂馬を7七桂、6五桂と動いていく様を天使が跳躍する様に擬え表現したものだ。別の言い方をすると、桂馬が中央に活用出来て「捌けた」状態を指す。

 

将棋は「王を詰ます」という大目標を果たす為に、様々な中・小目標を満たそうとするゲームだ。

例を出すと「駒の損得」、「王様の堅さ・広さの優劣」、といったような部分について、相手に対して優位に立つ事を目標とする事が多い。

その他の目標をお互いが達成し合い、つり合いが取れているかどうか、そこでその局面の優劣が決まる。これが難しいのだ。

相手より多く駒を持っていても、自分の王様が危ない状況で不利という場合もあるし、

自分の王様が安全な状態であっても、相手に駒を取られている状況ではジリ貧となる。

実際の将棋だと、上記のようにはっきりとした状態ばかりでなく、自分も相手もある部分でポイントを稼いだが、ある部分では稼がれている、という状況が多い。

その個別的な優劣を全体とした優劣に落とし込むのが「形勢判断」といえる。

前述した駒が「捌けた」状態であるか、も目標の一つであり、この形勢判断に大きく関わる。

この「捌く」という言葉は感覚的な表現で難しい。囲碁にも同様の言葉があるが、少し意味合いが異なるようだ。

自分の駒を機能させる、もしく機能していない駒を駒台に乗せる、が一つの正解と考えているが、それも一面でしかないように思われる。

調べてもなかなかはっきりとした答えがない。ただ天使を跳躍させた時は非常に気分がよいので、この感覚を得られる動きを念頭に置く、これが肝要なのだろう。